今日は「梅ヶ坪の家」の現場定例打合せ。
中では引き続き長尾棟梁が一人で黙々と床のフローリングを張り進めています。
フローリングは無垢のレッドパイン。
レッドパインは主に北欧で採れる松材で、足触りが柔らかく気持ちの良いフローリングで経年変化もあって僕の設計でもよく採用するフローリングです。
無垢材なのでもちろん一枚一枚が異なっており、全ての板がきれいに揃っている訳ではありません。当然木の癖のようなものもあります。
これをきれいに揃えようとすれば新建材の出番となりますが、きれいに揃えば揃うほど素材の表情は無くなり嘘っぽくなります。
社会と同じでいろいろな個性があってこそ豊かな社会があると僕は思うのです。きれいに揃えた画一的な社会ほどうすら寒いものはないと僕は思います。
話が逸れました。
そんな自然の素材だからこそ住む人の顔にしわが刻み込まれていくのと同じようにこれらの素材も一緒に経年変化を遂げていきます。
ところが表面を見繕っただけの新建材はどうでしょう?最初こそきれいかもしれませんが、時間が経てばボロボロと化粧が剥がれ落ちて瞬く間にみすぼらしくなってしまいます。
使い込めば使い込むほど味が出てくる革製品や木製の道具といったものほど使う人の記憶や歴史が刻まれるものです。
色々な意見はあると思いますが、僕はそう思います。