先日工務店各社に見積を出した「萩島の家」のクライアントのYさんと今日は打合せでした。
少し前にとても無口なご主人が、奥さんに「良い土地と良い設計士さん見つけてくれてありがとう。」って言ったそうで、突然言われて奥さんもびっくりしたそうです。
そしたらご主人は「急に思ったわけじゃなくて、ずっとそう思ってますから。」と・・・。
インスタグラムを通じて奥さんが僕に連絡をくれたのが設計をご依頼いただいたきっかけなんですが、当初は設計事務所に頼む事なんて考えてもなかったそうで、僕のインスタグラムの写真を見ても「設計料もかかるし(設計事務所に依頼するのは)ウチには無理かな・・・。」と思っていたそうなんですが、あとで後悔しないようにと、とりあえず僕の事務所に思い切って相談に来られました。
実は僕のOBクライアントの中でも当初は設計事務所に依頼する事なんて考えてもいなかったという方も多いです。中には設計事務所に対してあまり良いイメージを持たれていなかった方もいらっしゃいます。
それはつまり設計事務所の仕事というものが世間にきちんと知られていないという事でもあります。雑誌やメディアでは斬新で目新しい家が取り上げられることも多く、どうしても見た目の事として設計事務所の仕事が捉えられがちになってしまっているのかもしれません。でも建物をつくるのにきちんとした設計を行なうのは必須ではないのでしょうか?そしてそれを行なうのが設計事務所だと思います。
今日の打合せの時にも話したのですが、簡単な図面しかなくたって見た目はなんとなくそれらしく家は建ちます。でもそれだけでは良い家は建ちません。
例えば白いTシャツがあるとします。
依頼書に白いTシャツ、Mサイズと書かれ、その簡単な絵が描かれているとしたら、そこから作られるTシャツはみな同じような白いTシャツではあります。
でもそのTシャツの素材、丈の長さ、袖の長さ、身巾、首周りのディテール、タグの取り付け方やワンポイントの位置や大きさ、デザインが異なれば、そのTシャツの良さには雲泥の差が出ます。(気にしない人には同じに見えるかもしれませんが・・・笑)
設計とはそういった細かい事をひとつひとつ検討し、詰めていく作業です。