僕の事務所は自分で言うのもなんだけれど図面を詳細にたくさん描く方だと思う。自分では特にそれほど意識はしていないけれど、職人さん達から他の設計事務所の図面と比べてそうだとよく言われるのでたぶんそうなんだと思う。
でも図面とは別に僕が作る書類についてもよくクライアントから驚かれる。予算計画書やスケジュール表なども作りますが、正式に契約した後にクライアントと打合せを行なえば僕はそのたびに打合せ議事録を作成してクライアントにメールでその都度送る。はじめてその打合せ議事録を受け取ったクライアントは「打合せの議事録まで作ってくれるんですね!」とたまに驚かれる。
驚かれる事に僕は驚いてしまうのですが、僕にとっては打合せの議事録を作る事は当たり前の事で、その時に打ち合わせした時には覚えている事も時間が経てばうっかり忘れてしまう事だってあります。それをきちんと忘れないように、自分の覚えとしての意味もあり議事録をつくるのです。きちんと記録が残っていれば後で見返してもいつでもきちんと確認できますからね。
どこかの役人のように、「記憶にありません。」とか「書類は一切残っていません。」という理屈は通らないと思うのですよ。設計事務所は建築士法という法律によって設計図書や書類の保管が15年(ちなみに以前は5年でした)と義務付けられています。15年ですよ。もちろん15年経ったからと言っていきなりすべての設計図書や書類を破棄する設計事務所もほとんどないと思います。これは大手設計事務所だろうと僕のような個人事務所だろうとみんな同じわけです。
話がそれました・・・。
つい先日も僕の事務所に相談に来られたご夫婦が、僕の事務所の設計図を見て感心した後、写真入りの現場監理報告書を見ながら、「これってたぶん大手のハウスメーカーよりきっとキチンとしてますよね・・・。」とポツリとおっしゃっていました(笑)。
正直、ハウスメーカーや他の設計事務所の事はよく知らないので(垣間見ることはたまにありますけど)、自分でもどうなのかよく分からないんですよね。ただひとつ言えることは、詳細な図面も打合せ議事録も現場監理報告書も、そして何度も通う現場監理も、それら全部すべて僕が必要と思っているから実施している事なんです。やらなきゃいけないように義務付けされているとか、誰かに言われたとか、そういう事ではなく、今までの経験を通して全て必要と感じた事をただ自分なりに実践しているだけなのです。