世の中効率化が求められている。
目的を達成するための最短手順を導き出し、いかに早く目的や答えに達するかが良しとされる。
それは仕事をする社会人だけでなく、子供たちの勉強(特に受験勉強と呼ばれるもの)にも求められている。
もちろん生産性を上げたり、無駄を省き合理的に事を進める上で効率化というものは重要です。
でもすべての事においてそれが当てはまるかというと決してそうではない気がします。
特に学んだり、考えたりする場面では、効率化という呪縛にとらわれついつい急いで答えを出してしまうことが多いように思う。そして急いで答えを出した方が偉いとも思われがちです。
でもゆっくりと見たり、考えたり、時間をかけたらかけただけ見えてくるものもあるし、効率化によってこぼれ落ちてしまう大切なこともある。何かに費やした時間というものは一見無駄なようでも決して無駄ではないと僕は思っている。失敗でさえも新しい事へのはじまりでもあるからだ。
プランニングについても同じことで、建築士の試験のように制限時間の中で時間配分をしてプランをまとめるようにプランニングするばかりではなく、時には時間をおいてそのプランを熟成させることもよくあるし、その一見何もしなかったような無駄とも思える時間を過ごしたことで見えてくることも多い。
以前仕事を手伝ってもらっていた子に「仕事が全然効率的じゃなくてなかなか思うようにはかどらない。」とぼやいていたら、「それでいいんじゃないですか。」と言われたことがある。
まあ事務所を経営している者としては現実的になかなかつらいものもあるけれど(笑)、建築ってそういうものなんじゃないかと僕は思う。
って、プランを待っていただいている方への言い訳を書いてみました・・・。(苦笑)