まだまだ朝晩は冷え込みますが昨日から4月に突入して新年度となりました。
我が家の次男もなんとか無事にこの春より大学に進学することになりました。長男と次男の二人が大学生とあって僕のこの細い肩にずっしりとのしかかってきていますので、僕も頑張って仕事せねば!という心境です。(だから新しい家づくりのオファーはウェルカムです!)
もちろんウチだけでなく、この春から新しい生活をスタートさせる方も多いかと思います。
僕の事務所も先月の3月28日で丸20年となりました。20年というと何だか結構な歴史って感じもしますけど(笑)、当の本人はなんだかあっという間の20年でした。
基本的には僕はひとりで仕事をしているので、クライアントの打合せや現場監理以外で人に会う事はほとんどない。個人の家の設計が中心なので年度という概念も僕にはほとんどないとも言えます。
そんな年の区切りというものをほとんど意識しないままひとりマイペースに設計活動を行なってきましたので、気づいたら20年という感じで、何かを成し遂げたわけでもなく、正直、自分自身に成長や進歩があったのかと問われるともうはなはだ疑問でしかない・・・(苦笑)。
ただひとつ言えるのは、独立した当初の漠然とした気持ちからは少なからず違う場所に立っているという事。
設計事務所に勤めていた頃や独立当初は建築に対して今とは少しだけ違う思いを描いていた。それは若さもあったと思う。
もちろん建築に対して向き合う姿勢とか、自分の好きな建築のあり方というようなものはほとんど変わりはない。けれども、何のためにそれを行うのかという意味においての変化は少なからず僕の中にはあったようだ。
それは20年という歳月をかけて住宅設計という場においてクライアントと常に向き合ってきたせいだと僕は思います。なんだかうまく説明することはできませんが、リアリティ、というような事でしょうか。
モノづくりとしてのリアリティ、技術的なリアリティ、クライアントのリアリティ、暮らしのリアリティ、など様々なリアリティです。
僕の設計する家はある意味即物的であると言え、建築的なコンセプトというようなものはほとんどない。クライアントの暮らし、環境、要望、コスト、クオリティ、そして心地良さをただ整理し整えていった結果でしかない。
家=毎日を暮らす器
特別な素材も、特別な事も必要とせず、当たり前の素材で当たり前に丁寧につくる事。
それは何か特別な創作料理をつくるというよりは、どこでも手に入る素材で、そして毎日飽きることなく食べられる、丁寧につくられた定食のようでもあると言えます。
話が長くなりそうなので、この続きはまたあらためて書くことにします。