家づくりにおいて多くの人は一度は住宅展示場というところに足を運ぶと思うし、実際僕のところに依頼に来るクライアントもそういった方も多い。
まあ最初はどこに頼んだらいいのかよく分からないし、手っ取り早く見れるところといえばそういったところだから当然と言えば当然なのかもしれません。
でも、そうやって住宅展示場に足を運んだにもかかわらず僕ら設計事務所に家の設計を依頼する方は、皆さん住宅展示場で見る家に何らかの違和感を感じているからです。(実際に何か違和感を感じるというメッセージをいただく事も結構多い。)
自分たちの考える家とは明らかに異なったりすればそれは単なる違和感ではなく、価値観の違いという事になります。
ところが、「なんだかよくわからないけれど、なんとなく違和感を感じる。」という方も多い。
そんな中、土地をお探し中の相談者の方とメールでやり取りしていて、その違和感が何なのかはっと気づいたとその相談者の方はおっしゃっていました。
「ひとつひとつ全く違う土地、環境、家族、暮らし、それぞれに寄り添うつくり方とはそもそも異なるものだという事を、僕らはずっと違和感として感じていたんだと思います。
対して僕たち夫婦が青木さんに対して感銘を受けた部分というのは、それぞれの家族の暮らし方や個性とかを理解いただけた上で、最良なプランを組み立てていただける、そんな感覚をブログや施工例から覚えたからでした。」
僕のクライアントは皆さんそんな事はご存じなんですが、そこが設計事務所とメーカーなどと根本的に異なる部分です。一般の人にとって見れば設計事務所というところは見てくればかりデザインしてお金のかかる家を建てると思われがちで、住宅の中のトップに住宅展示場のような家があると信じて疑わない人も多い。
随分前に大手ハウスメーカーに勤める友人から設計をしてほしいと頼まれたことがあったけれど、とても親しい友人であったけれどその話は断った。僕の返事を聞いたその友人は「そうだよな。独立してやってるヤツはメーカーみたいな仕事が嫌で自分でやっているようなものだからな~。」と。