フォルクスワーゲンに続き三菱自動車も燃費データを偽装していた問題。
地球温暖化対策や省エネという観点から自動車の燃費性能は今や世界中のメーカーが競争する性能の一つです。燃費というのは数字で表されるものなので比較が容易でとても分かりやすい性能の一つです。それはアスリートでいうところのタイムなどの記録のように明確です。しかしアスリートのそれと同じように、数字を追い求めればドーピングのような不正を働くものも残念ながら出てきます。
数字、もっと正確に言うと数値目標というのは、その目的を非常に単純化して分かりやすくしたものではあるけれど、その裏には危うさもあって、そもそも何のための数値目標かという本来の目的自体が忘れ去られ、数字だけが独り歩きしてしまうことが多々あります。
数字だけが独り歩きするというのは、何の想像力も持たず、ただ単純にその数字を上げる、またはクリアする事だけが最重要目標となってしまうことです。
それは何も数字だけではなく、キャッチコピーやスローガンといったものも同様です。単純化の裏に見えなくなってしまったものに対して想像力を働かせることはとても重要であり、そこを見失ってしまってはならないと思うのです。