以前にも受けた事ありますが、今日も午後から「低炭素建築物」の講習を受けてきました。
「低炭素建築物」って一般の方には聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言うとCO2の排出を抑えた建築物の事で、もっと簡単に言うとつまり、「省エネ建築物」って事です。
何度も言いますが、この「低炭素建築物」ってネーミングには非常に違和感を覚える。「省エネ建築物」の方が分かりやすいし、妥当なネーミングの気がするんですけどねぇ・・・。(←そもそも僕は低炭素という問題に懐疑的ですし、問題は炭素だけではない気がします。)
話が逸れましたが、「低炭素建築物」というのは、断熱性能などを高めたり、冷暖房や給湯設備の省エネ性能を高めたりなどの様々な基準があります。様々な基準の中のひとつに、「木造住宅」ってだけでもある基準をひとつクリアするんですが、木造住宅というのは、やはりエネルギー負荷(建設時に対しても建設後に対しても)を抑える事ができる工法なんですね。
で、建築物の断熱性能などを計算するのに、非常に小難しい記号の並んだややこしい数式がいくつも出てきます。もうこんな数式でスラスラ計算できる若い脳を僕は持ち合わせていないので、なかなか頭で理解するのは大変です(苦笑)。
とは言え、やっている事は「長期優良住宅」の省エネ基準の計算に近く、おおよその事は理解できますが、実際に自分の手を動かして実際の建築物の計算をひと通りやらないと頭に入らないだろうなぁ。(長期優良住宅もそうでした)
それにしてもしかし、この手の省エネに関する新しい法律や基準を勉強する度にとても暗い気持ちになります。何がって?だってこの手の基準は既製品のものを使用する事が前提というか、前提とは言わないまでも、かなりの部分でそういった既製品を対象に扱っているからで、これらの法律は建築の事をほとんど知らない人たちでつくっているとしか思えないです。
そういった事が起きないように、建築業界にも様々な団体があり、政治にも働きかけなければいけないはずですが、悲しいかな建築のそういった団体は、医師団体や弁護士団体のような政治への影響力はほとんどないんですよねぇ・・・。
一級建築士というのは国が認めた、ある一定の専門的な知識を有した建築の専門家です。もう少し建築士に専門家としての裁量を与えて、設計に対する自由度を与えてほしいです。同じ省エネという事に関しても、いろいろな形での省エネに対する設計というものがありますから。
とは言うものの、姉歯事件やニセ建築士の問題などから最近は建築士に対する社会的信頼性というものを大きく失ってしまったため、なかなか建築士に裁量を与えるという事は難しいんでしょうねぇ。非常に残念な事ですが・・・。