今日の「高蔵の家」の設計打合せで、室内のラフスケッチなんかを紙の裏側に描いてクライアントに説明していた時のクライアントの言葉です。
「だって、家のプランを考えるだけじゃなくって、法規とかインテリアだとかなんかまで全部考えるんですからね。僕にはできない仕事です。まず絵が上手く描けなくちゃダメですしね(笑)。」
大変さがお分かりいただけましたか?(笑)。
奥さんが
「私も建築士の仕事も考えた事ありますよ。」と言うと、ご主人は
「えっ?理系ですらないのに?」って(笑)。
建築家ってデザイナーみたいに見られている節があるけれど、まず一番大きな部分は建築のエンジニア(技術者)としてだと僕は思っています。エンジニアと言っても単なる構造的技術や施工的技術といった部分だけではなく、人間工学的、人間行動学的、心理学的な事も含めたエンジニアであるという事です。その上ではじめてデザインや設計哲学の事を考える事ができるのだと思います。
建築は芸術ではありませんから(←建築には機能があるが、芸術には機能はありません)、いくらデザインのセンスはあっても、そういった技術的な事を抜きには建築をつくる事はできませんから、数学などの理系要素は重要だと僕は思っています。(そうではないと言う考えの人もいらっしゃいますが・・・)