僕が独立する前から、もう随分と長く乗り続けてきたSaabクラシック900ですが、いよいよというか、とうとう手放す事になりました。
はじめてSaabクラシック900のステアリングを握ってドライブさせた時のその胸のワクワク感は今でも忘れませんし、色褪せる事もありません。
そして僕がこの建築設計という仕事をしていく上で、Saabは本当に僕にいろいろな事を教えてくれた。
国産車のように、ノントラブル、メンテナンスフリーという訳では当然の事ながらあり得ませんが、様々な故障に見舞われながらもこのSaabを乗り続けて来られた事が、このクルマの本当の価値を知るところだと思います。
見かけのデザインやスペックなどではその本当の価値を知ることは難しく、乗ってみて、所有してみないとこのクルマの価値は半分も伝わらないと思うクルマです。
様々な故障に見舞われたといっても、もう20年以上前の輸入車です。耐用年数を過ぎたような部品だって結構あるから、故障するのは当然と言えば当然とも言えます。(国産車はそうではありませんけどね・・・苦笑)
ご承知の通り、Saab社は経営破綻してしまいました。それまでほとんど何の問題もなく供給されていたクルマの部品が、途端に供給に支障をきたす状態になり、SaabC900をやむなく手放すオーナーが急増し、現存するC900の個体も世の中から急激に激減してしまいました。
僕のSaabも部品の供給の問題で直しきれない持病のようなものを抱えていて、何とか騙し騙し乗り続けてきましたが、そろそろそのごまかしもきかなくなってきてしまったのかな、というところです。
もちろん世間には、僕よりもずっとキレイにキチンとメンテナンスをされて大切にC900を乗られている方もまだまだいらっしゃいますし、本当は直るものなら直して乗り続けたかったというのが正直な気持ちですが、既に30万キロ弱走行している僕のC900は部品供給の事も含め、限界かなと感じての決断です。
Saabとの残された時間はあと僅かですが、残されたSaabとの会話を楽しみたいと思います。