世の中には数多くの商品が存在し、数多くのモデルチェンジが存在する。
建築の仕事をやっていれば少なからず様々な商品と関わる事になる。
その膨大な商品の中でも僕が使用するものはほんのごく一部だし、僕はいろいろと検討してみて気に入ったものは結構同じものをよく使う。いわゆる僕の事務所の定番というかスタンダードみたいな感じで。(これは商品に限らず、ディテールについても同じような事が言えるんだけれど)
で、気に入ったものを何度も採用するのだけれど、突然モデルチェンジで生産中止になる事がよくある。いや突然というよりもその多くは定期的にモデルチェンジが繰り返されるものなので、ある程度は承知している事かもしれない。
しかしそれにしてもである。どうしてこんなにモデルチェンジを繰り返さなければいけないのか?
モデルチェンジの理由が改良によるものならばまだ良いのだけれど、一番大きな理由は消費者の購買意欲を高めるためというものだと思う。そんなものなら僕はいらないと思うけど。
そうしないと経済が回っていかないという事なら(←言い古された経済論)そうすればいい。でも少なくとも良いものはずっと長くつくり続けてほしいものだと切に願う。デザイナーだって設計者だって、職人だって、自分が考えたものやつくったものがそういった風に長く使い続けられるというのはうれしいものだと思うし、良いものをつくりだすモチベーションにもなると思う。
良いデザインだろうと良くないデザインだろうと同じようにマイナーチェンジによって何年か後に消えてしまうというのは、どうにも悲しい社会のような気がするのはきっと僕だけではないはず。
何より大量消費社会ではなく、長く使う事が一番のエコロジー(←あまりこの言葉は好きではないけど)というか、心温まる社会だと思うんだけどなぁ・・・。
今年も僕のSaabの自動車税の納付書が先日届いて、「大切にものを長く使っているだけなのにどうして税金が高くなるのだろう?」と疑問に思いながら、ふとそんな事を感じました。