今日はクライアントのYさんと「豊田の家」の工事契約でした。
僕も契約書に工事監理者として記名捺印させていただきました。工事監理者って普通の人にはあまりなじみがないかもしれませんが、とても大切な人です。
建築確認申請書にも設計者の名前と資格&資格番号を書く欄と工事監理者の名前と資格&資格番号を書く欄があります。もちろん施工する工務店の名前と工事の資格&資格番号を書く欄も。
設計者と工事監理者は同列であり、設計に関しては設計者が、工事においては工事監理者が非常に重要な役割を持ちます。
誤解される事も多いですが、この工事監理者と現場監督は別のものです。
工事監理者が「監理」を行うのに対して現場監督が行うのは「管理」の方。似ている言葉ですがその内容は全くの別。
現場監督が行う管理というのは、主に工程の管理だったり、工事の段取り管理、コスト管理、現場でのさまざまな実務業務に対する管理です。
それに対し、現場監理者が行う監理というのは、もっと建物の品質そのものというか、設計の内容がキチンと問題なく施工に反映されているかどうかという監理です。もちろんその他にもいろいろと業務はありますが、一番大きいのは建物そのもの、例えば構造的な成り立ちや法的な問題が起きていないかどうか、施工的に問題が無いかどうかを第三者的な目で公正・中立に判断する事です。
何より設計者や工事監理者に求められるのはこの公正・中立という立場です。これは工務店に対してもそうですが、クライアントに対しても同じことが言えます(誤解を恐れずに言うと、設計者や工事監理者は、必ずしもクライアントのイエスマンではないという事)。そしてその立場を維持するために不可欠なのはやっぱりその設計者や工事監理者の哲学だと僕は思う。
「豊田の家」も建築確認申請が下りたら5月中旬頃から造成工事に入る予定です。
軒の深い、緩やかな切り妻屋根のとてもシンプルで心地良い家です。