何年か前に僕の兄が娘(=つまり僕の姪っ子)に、
「昌則おじさんの仕事って何か知ってる?」と聞くと、
「もちろん知ってるよ~。」と姪っ子。
「そうか、おじさんが建築士って知ってるのか。」
「チッ!チッ!チッ!(←人差し指を左右に振りながら)昌則おじさんはねぇ、匠なの、た・く・み。」
いや、おじさんは匠じゃないからね、匠じゃ・・・。それに匠って本当は職人さんの事なんだよ。
少し前になるけれど、匠で有名な某TV番組のプロデューサーから僕の所に番組出演のオファーが来た。
どうして僕なんかの所にそんな話が来るのか僕には正直分からないのだけれど、そのようなお話をいただいた事はうれしく思っています。(決して悪い気はしませんよね?)
でもそのお話は考えるまでもなくお断りさせていただきました。
その理由は僕のクライアントならばおそらくお分かりになると思うけれど、僕は番組でやっているような建築のつくり方はしないし、この先もしたくないと考えているからです。(決して出演されている方を否定している訳ではありません。あくまで自分のスタイルではないというだけです。)
僕はびっくり箱のようにこれ見よがしに人を驚かせるような建築はつくりたくない。クライアントと対話を重ねて、もっと控え目で心地の良い建築がつくりたい。(自分でもそういったサービス精神の無さをよく自覚してますが・・・)
僕の娘からは
「匠の仕事を断るなんて、パパのバカ!」なんて罵られましたけど・・・。