実際の建物の設計図となる実施設計図面は、描きながらいろいろな事を検討・検証していく。その過程において当初考えていた事から大なり小なりのさまざまな変更が加えられていく事になる。
実際に詳細な図面を描き始めてみたら上手く納まらない部分が出てきたり、いろいろと詳細な検討をする事によって見えてくる部分もある。もちろん、デザイン的にもっとよくする事だってあるし、コストを抑えるためにより合理化できる部分を探る事だってある。
また、単純に図面の作図、例えば表現の仕方やその方法だったり、図面の密度だったりを考えながら描いていく作業でもある。
そんな実施設計図面を事務所でひたすら考えながら描いていると、ドラフティング・ハイのような状態になる事がある。それはまるでマラソン・ランナーにおけるランナーズ・ハイのようなものだと僕は思うのだけれど、図面を描きながらある領域を超えた時に俄然集中力が高まる時がある。
描いている図面がビシッと決まっていく過程を踏む事により、自分自身がノッてくるというか、そんな時は周りの音(例えばBGM)も耳に入らないし、時間の経過も完全に飛んでいる。
もちろん空腹さえ忘れ、食事の事すら頭に無くなる。あっという間に時間は過ぎ、「あれ?もうこんな時間か・・・。」と思う時である。
その時の僕の頭はもの凄い集中力できっとキレまくっている。いつもそんな状態がずっと続けばカメのようなペースの僕の仕事もはかどるっていうものだけれど、なかなか上手くはいかないみたいだ・・・。