以前、庭アトリエの金子さんから、「そう言えば青木さんがSaabの話を書いてたな。」と軽い気持ちで僕のホームページを覗いたら、予想を超えたその想いに驚嘆されたとメールをいただいた事があります。
そんなに驚嘆しないでくださいね(笑)。
もちろん僕はSaab(C900)がとても気に入っている。でもそれほど特別でもないとも思っている。
実際僕なんかよりもずっとずっと上のSaabファンは存在する。
僕はただ客観的にSaab(C900) が醸し出す雰囲気というか世界観が好きなんですね。
独創的なデザインや機能性を備えているにもかかわらず、そういった部分が主張する事なく全体として非常にバランスよく、そしてごく普通に見える。
その雰囲気というのはなんて言うんでしょうかね、今っぽく言えば「ユルさ」とでも言うんでしょうか。
堅苦しさもなく、挑発的でもなく、その醸し出す雰囲気がとても心地良い。そしてその雰囲気や心地良さは、はじめてSaab(C900)のハンドルを握った15年前から少しも色褪せていない。
完璧な機械であるドイツ車や官能的なイタリア車などから見れば、「ユルさって何だよ・・・。」と思うだろう。でもそれがこのクルマの魅力なんですよね。(※もちろんドイツ車もイタリア車も僕は好きですよ)
実は建築にも同じような事を僕は考える。
どこかに空間の大らかさというか、そういったものを求めている。(若い頃は決してそうではなかった)
緻密さを求めながらも、どこか大らかな空間である事を必ず残しておきたいと僕は思っている。