あらためて言うほどのものじゃないけれど、僕はつくづく効率の悪い仕事のやり方をしていると思う。
効率が悪いというのは言い方としてちょっと適格ではないかもしれないけれど、何しろやる事に対して時間がかかるという事。
イマジネーションが湧き出てきて次から次へとアイデアが浮かぶ事なんて事はない。一からゴソゴソとやりはじめ、あ~でもない、こ~でもない、といった感じでズルズルと考えては消し、考えては消しの繰り返しである。
才能のある建築家のようにレストランでアイデアが浮かんで、手元にあった紙ナプキンにスラスラとスケッチを描いて、それが現実の建築となって出来上がる、なんて事は残念ながら、無い・・・。(苦笑)
でも僕は才能の無いなりにひとつひとつの石をただ積み上げていく事しかできない。そしてそういった積み重ねの先にしか僕の仕事は見えてこない。
自分でもどうしたものかと思わなくはないけれど、こればっかりは仕方がない。サラサラっと出来ないのだから。
正直に告白すると、僕の仕事は10人中の1人から2人くらいを相手にする仕事だ。実際、設計事務所に住宅の設計を依頼する人の割合もそんなものだろう。(おそらく10%くらいがせいぜいだと思う。)
僕は、その他の8人~9人からも仕事を取ろうとは思わない。僕の事を気に入ってくれたその1人から2人のクライアントに対して精一杯の仕事をしたいと思うだけだし、そのために僕の考えや哲学を僕のホームページ上に明らかにして仕事をしている。
ある意味それは自分の門を狭めていると言えなくもないし、そのためにいろいろと大変な風雨に耐えなくてはいけない事もたくさんある。
でもそうしながらも、完成した家を喜んでくれるクライアントの存在があるからこそ、僕はそれを続けていきたいと思う。
BGM♪:Are You Ready?/斉藤和義