プロジェクトの終わりと始まりを迎えた今日、なんとなく書きたい事。
少し前にインターネットで、建築家との家づくりのトラブルについてクライアントの方が書かれているサイトを見ました。
そこには雑誌に売り込みたいばかりに、写真写りばかり気にしてクライアントの生活をないがしろにする若い設計士の事や、デザイン優先でクライアントの言う事を聞かない建築家の事、コストの事を全く考えない建築家の事などがクライアント自身の言葉としていろいろと書かれていました。
僕は、どうしてそんな事になってしまったんだろうという疑問と同時になんともやるせない気持ちになりました。
クライアントによっては雑誌に載るような写真写りの良い家を望む人もいると思うのでそのような建築家自体を否定はしない(もちろん肯定もしないけれど・・・)。
けれども、そうでないクライアントがそんな建築家を選んだ事は明らかな失敗だ。
「そうは言っても何回か建築家に会っただけでそんな事までは分からないよ。」というクライアント側の不安もあるし、その気持ちも分からないではない。
どうなるのかわからないような相手に何百万円という大金を支払うのだから、不安を全く感じなくても大丈夫とは言い切れない。
だから設計事務所で家を建てたいとは思っていても、そういった点に不安を感じて単なる名前だけでハウスメーカーと家を建てる方も少なくない気がします。
しかし、そう考えれば考えるほど非常に残念に思います。
ハウスメーカーで建てる事が悪いとは思わないし、ハウスメーカーで建てた方が良い人もたくさんいる(と言うか大多数?)。
でもこれほどインターネットが普及し、ブログなんかで建築家の人となりも昔と比べて随分と分かりやすくなったこのご時世にそういった不幸な出会いが起きてしまうなんて、残念でなりません。
よく言われる事ですが、この建築家選びに成功すれば、その人の家づくりは80%以上成功したと言えます。それくらい依頼する相手や相手との相性は大切です。
その建築家の作品の印象(できれば写真ではなく実際に見た印象)と建築家自身の印象や相性を見極める必要があります。それはホームページやブログの隅々まで目を通す事、実際に会って(必要なら数回でも)話を聞く事が大切です。そこから感じ取るものが必ずあるはずです。
しかしそう思うと僕に設計のオファーをくれたクライアントはみんな勇気のある方たちばかりなのだろうか?
少なくとも最初は相当な勇気が必要だったのかな?
でももしそうだとしたら、それって設計事務所としての入口のハードルが高すぎますよね(苦笑)。
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