僕はあまり小説というものは読まない方だけれど、村上春樹の小説はわりとよく読みます。「1Q84」はまだ読んでいませんけど。
この本も、村上春樹自身がギリシャとトルコを旅した時のことを書いた旅行記で、その文章がとてもうまい。僕はこの「雨天炎天」を何度も読んでいる。
確かこの本は20年くらい前に出た本で、ちょうど僕が村上春樹を読み始めた頃と重なります。
そもそも僕が初めて村上春樹の文章を読んだのは、自動車雑誌「NAVI」の中に記事で、「BMWとメルセデス・ベンツを乗り比べる」というような試乗記を村上春樹が書いていたのをたまたま読んだからだ。
そこには「BMWは恋人のようで、メルセデスはソープランド嬢のよう。BMWは自分にしか気持ちいいことをしてくれないけれど、メルセデスは相手が誰であろうと気持ちいいことをしてくれる。」というようなことを村上春樹が書いていた。
僕は、「面白いことを書く人だなあ。」と思い、それから村上春樹のエッセイを読むようになった。「村上朝日堂」とか「日出ずる国の工場」とか。
どれもとてもくだらない内容だけれども、村上春樹自身の哲学というものをとてもよく感じさせてくれるものです。
小説の中で好きなのは、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と「ねじまき鳥クロニクル」、「海辺のカフカ」ですね。
しかし村上春樹は今ではすっかり世界的な作家ですねぇ。あんなくだらないことばかり書いていたのに(笑)。