今日も岩倉は雪が降っています。今シーズンはいつになく雪が多いですねぇ・・・。
HPのWORKSのページに先日もお知らせしたように「岩成台の家」の写真を本日UPさせていただきました。よろしければご覧になって下さい。
「岩成台の家」はサブタイトルが「やわらかな家」となっていますが、静けさというか落ち着きというか、そういったイメージを持ちながら設計を進めてきた家です。もちろんクライアントのHさんご家族から僕がそう感じ取ったものです。
先日おじゃました時にもクライアントのHさんと話しましたが、Hさんは今までに僕の手がけた家をたくさん見てきて、僕が心地良いと感じて使用する素材などはある程度見慣れてはいるのですが、やはり家の一軒一軒は全く違う印象で、それぞれにそのクライアントにふさわしいであろう特徴があって興味深いですねと。
僕は必ずクライアントの顔や雰囲気を思い浮かべながら計画を進めます。そしてそれを踏まえながらその敷地にふさわしい家を思い浮かべるので、クライアントの顔が見えないような仕事は僕にとって不得意と言えるかもしれません。
「平中の家」のクライアントのSさん(ご主人)も、たくさん僕のオープンハウスを見ていらっしゃいますが、その家を見ると自然とそこに住むクライアントの個性が浮かぶとおっしゃっていました。
家ってそういうものだと僕は思います。
オリジナリティとかオーダーメイドとかそういった事ではなく、住む人のパーソナリティが家に表れてほしい。きれいに住むとかそういった事でもなく、やはりクライアントなりに生活し、クライアント自身の家であってほしいと僕は思っています。だから僕は僕の手がけた仕事の事を「作品」とは思いません(もちろん、便宜上「作品」と表現する事はありますが)。
誤解を恐れずに言えば、僕はプロフェッショナルとしての建築家ではないのかもしれません。どんな家だろうと、そしてどんなクライアントの要求だろうとそれを形として表現できるかと言ったら、たぶんできない。なぜかというと、僕は僕が良いと思う建築しかつくる事が出来ないから。自分が良いと思えないものを、ただクライアントの要望だからと言って割り切って、それを責任を持って提供する事が出来ない。
もちろん僕の良いと思う建築も少しずつ変化していくものだし、クライアントのさまざまな要求も僕なりに解釈し、より良い形に昇華できるようにするのは当然としても、単純に自分が納得できないような仕事は出来ない。
なんかこんな事を書いてしまうと僕がとても偏屈で頭の固い設計士に誤解されてしまう気もするのだけれど、嘘はつけませんからねぇ。自分の仕事に嘘をつきたくない。