久しぶりに仕事の話題を(笑)。
ここのところずっと、あ~だこ~だしながら事務所にこもって実施設計図面を描いているんですけど、各部屋の展開図(※部屋の各壁面を描いた図面の事)もできて、材料の使用面積などが拾える(※数量を出す事)ようになったので概算工事費の計算をしてみました。
「してみました」と言っても、設計段階のこの概算工事費の計算はいつもしていますが、過去の見積実績をもとに材料の大まかな数量と単価を入れて概算の工事費を僕なりに計算する訳ですね。
建築の設計業界では概算見積が、予定予算の10%オーバー以内に収まっていればそれは「ほぼ予算通り」という認識となります。
誤解を恐れずに言うと、概算工事費というものは概ね予算を超過するものです。もちろん何も予算に無頓着に設計を進める訳はなく、予算に合うように全体の計画をし、仕様を選択していく訳なんですが、真っ当な設計者(あるいは真っ当な工務店)にとっては「少しでもクライアントにとって良い建物にしたい。」という想いを胸に設計を進める事になります。だからついついちょっとだけ(?)予算をオーバーしてしまう傾向にあります。
そのため、工事費をある程度正確に把握するために概算工事費を計算する訳で、この概算工事費の金額を目安にその後の設計の方針(ハッキリ言うとコストダウンのための方針)を決めて行く訳です。
ただ、若干オーバーしている程度なら、そのまま設計を進める事も多いですけどね。最終見積の時に予算をオーバーした場合はその時に減額案を検討したりして、工事費や予算を調整していく事になります。
通常、設計事務所は住宅程度の概算工事費ならば、その計算を工務店などに出してもらう事が多いと思いますが、僕の場合はサラリーマン時代に積算もやっていた経験があるので、ある程度は自分で概算を出せます(もちろんやった事のないような難しい工事は別ですが)。
積算業務をやっていた頃は「こんなつまらない仕事はやりたくね~よなあ。」なんてぼやきながらやっていましたが、今思うと本当に貴重な経験でした。
でも工務店が出す概算工事費って結構高めになってしまう気がします。だって、図面があまり揃っていないうちに工事費を計算する訳だから、わからない事はついつい高めに金額を入れてしまいますからね。だって後から設計士に「概算は安かったのに何でこんなにオーバーするの?」なんて責められたくないですからね・・・。
その点、自分で積算する利点は「図面にまだ描いていない事でも、自分の頭の中にはある程度描いてある」って事でしょうか。
長々と書きましたが、つまり今日出した概算工事費がちょっとオーバーしていたという事に対する僕の言い訳ですかね・・・。まあ、言い訳したってはじまりませんし、概算工事費が予算をちょっとオーバーしてしまうのは良くある事なんですが、今回は、う~ん、工事費を削るところがありません・・・・。
なんとか減額案を検討しなくてはいけませんね。
BGM♪:風に吹かれて/エレファントカシマシ