毎年夏ごろから年末にかけての時期に学生などからの就職の問い合わせがいくつか入る。
あいにく現在はスタッフの募集はしていないのでその旨を伝えるのだけれど、ただ僕のような小さなアトリエ事務所では学生をいきなり新入社員、つまり正スタッフとして採用する事はたぶんありません。だいたい普通はアルバイト期間を経てスタッフとしての採否を決定する事が多いと思います。個人の資質を見極める意味もありますし、逆に事務所を見極める期間であると言えます。だから、大手の設計事務所ではなく、住宅設計を手掛けるような小さなアトリエ系の設計事務所で働きたいという学生は、まず設計事務所にオープンデスクやアルバイトとして経験する事をお勧めします。
昨年末から始まった急激な景気の落ち込みで学生の就職は大変な様子だと聞きます。でも、僕は個人的に大学の就職活動時期に就職を決めるような人ではなく、なかなか就職が決まらないまま卒業間際になってどうしようもなくなってしまったような人の方が関心がある。小さな設計事務所で働くという事、また将来的に独立して自分で設計の道を歩んでいくという事は、つまりいわゆる世間の就職活動で一緒に面接を受けて大手企業に勤めるようなサラリーマン的な意識の人よりは、もう少し違った角度からの視線を持てる人の方が向いている気がします。もちろん、建築が好きでやる気のある人というのは絶対的な条件だと思います。建築を好きでなくては絶対やれませんよ、ホントこの仕事は・・・。