クルマのカテゴリーというかタイプというか、種類の中で「ライト・ウエイト・スポーツ」というものがあります。つまり、軽量でスポーティなクルマというものです。
古いところで言えばホンダのS800(通称エスハチ)やトヨタ・スポーツ800(通称ヨタハチ)、少し前で言うとホンダのCR-XやトヨタのAE86レビン・トレノ(通称ハチロク)なんかがこれに当たります。最近のクルマで言うとマツダ・ロードスターくらいでしょうか。輸入車で言うとロータス・エリーゼとか。(しかし、最近はライト・ウエイト・スポーツと呼ばれるようなクルマが少なくなりましたねぇ・・・。)
このライト・ウエイト・スポーツに対してある意味対極にあるのが、重量ハイパワーなスポーツカー(GTカー)であり、日産GT-Rやトヨタ・スープラなんかが挙げられます。
クルマというものは当然の事ながら、走って、止まって、曲がるものであり、そのすべての動作に対してクルマそのものの重量の慣性が働きます。クルマの重量が重ければ重いほど加速しにくく、止まりにくく、曲がりにくいわけです。だから、クルマの重量は軽いに越した事はありません。レーシングカーも常に軽量化を図るのもそのためです。
エンジンのパワーを上げれば上げるほどエンジンが大きくなり重くなります。また、その重い車体を制御するためのハイテク機構がまたクルマの重量を重くします。クルマ自体が軽ければエンジンのパワーもそんなに上げなくてもそこそこあれば十分スポーティですし、ドライビングもこちらの方が個人的に楽しいと感じる。
ヘビー・ウエイトのハイパワー・カーがいろいろなものを付け足して成り立っているのに対し、ライト・ウエイト・スポーツはさまざまな部分を削り取る引き算により成り立っていると言えます。
個人的な僕の意見ですが、ライト・ウエイト・スポーツの方がその成り立ちが自然でシンプルだと思います。余計なものは必要としませんし、ある意味、そこには潔さがあり心地良い。
まあ、僕が乗るSaab900は決してライト・ウエイトでも何でもないんですが・・・(苦笑)。でも、基本的にはそんなライト・ウエイトなクルマが好みですね。何もスポーツ・カーである必要さえありません。そこにドライビングのリアリティとプレジャーあればOKです。
それは何となく僕が心地よいと感じる家のあり方と似ている気がします。