ここのところずっと計画中のプロジェクトのプランの事で頭がいっぱいです。スケッチや図面を描きながらスタッフに「ここはこうしよう。」とか「やっぱ、元に戻そう。」とか、しつこく変更の指示をする・・・。
クライアントの要望をなるべく実現しようといろいろとエスキースを重ねるのだけれど、結果的に心地の良い空間を得る事が出来ないようなプランになってしまえばまた最初から練り直し・・・。空間的に心地よくてもコストがオーバーするようならまたダメだし、機能的に不都合があればやっぱり駄目。
アイデアは何かが降りてきたような思いつきだけではまとまらない。プランはひたすらエスキース(=スケッチやプランの下書きのようなもの)を重ねていった先にようやく見えてくるもので、最初からイメージが思い浮かびスラスラっとプランがまとまるなんて事はない。もちろん漠然としたイメージというものは最初に思い浮かべるものだけれど、必ずしも最終的にそれが残る訳でもないし、エスキースの段階で最初のイメージなんてものはどんどん変わるものです。最初からハッキリとしたイメージがあり、それをプランとしてすんなりまとめる事が出来るような才能は僕は持ち合わせていない、残念ながら。でもたぶん、そんな事が出来る人って本当の天才なんじゃないかと思います。
でも時々、いったい何のためにこんな苦しい事をやっているのだろうと、ふと考える事がある。そして、自分のやっている事は本当に正しい事なのだろうか、とも。でもそんな事を考えてみても正しいのか正しくないのか、正直なところ自分でもよくわからないので、いつものように目の前の仕事にひとつひとつ真正面から向き合っていく事しか僕にはできません。
それだけがハッキリしている僕の唯一の答えだし、その答えの先にしか僕の目指す建築はないと思うから。