偶然付けた昨夜のTV番組「情熱大陸」にて斉藤和義が出ていました。
番組では斉藤和義の曲作りの様子などを紹介していましたが、その中で、「斉藤和義は決して頑張りすぎない。しかし、かといって決して手を抜かない。」とナレーションが入った。そして斉藤和義自身も、「(自分の才能はと訊かれたら)長く続けることですかね・・・。進歩が遅い分、牛歩戦術みたいな感じで・・・。」とインタビューに答えていた。そして、デビュー前にライブハウスに持ち込んだ、当時バイトのトラックの中で録音したというデモテープで「僕の見たビートルズはTVの中」を聴いた。今と全く変わらない。音楽性に進歩がないのかと勘違いされるといけないが、それはそういった種類の「変わらない」ではなく、軸が全くぶれていないという事だ。流行とは全く別の場所で、自分の追及する音楽をひたすらつくり続ける姿勢。そしてその姿勢がここ最近多くのミュージシャンなどに影響を与えている。
音楽というものは少なからず流行というものに影響されるものだと思うけれど、その中でもそんな曲作りを続ける姿勢にはとても感銘を受ける。
翻って、僕自身の建築というフィールドに置き換えて考えてみる。
建築とは数年で建て替えられるような商業建築を別にすれば、そもそも何十年、何百年、場合によっては何千年も公然の場所に残るものです。つまり、流行とは別の所にあるべきものです。ところが最近の多く目にする建築ってどうなんでしょう?奇抜なデザインである事を時代やメディアが求め、建築家がそれに応じて一見斬新で新しそうなデザインを生み出す。そんな風潮に僕は正直うんざりしてしまう。建築はいったいどこへ行ってしまうのか?このまま消費され続けボロボロになってしまうのだろうかと・・・。
BGM♪:空に星が綺麗~悲しい吉祥寺~/斉藤和義