今日は午前中事務所で図面のチェックをしたりなんやらと雑務を・・・。
僕は余ほど忙しい時でない限り、現場にできる限りスタッフを同行させたいと思っている。もちろん現場で打ち合わせをしたり、チェックをしたりするのはほとんど僕がやります。スタッフに確認させる事もあるけれど、それはスタッフの勉強のためであり、基本的には僕も確認する。現場にスタッフを連れていくのはあくまで勉強のためだからです。目先の効率を考えると事務所で作業していた方が良いのでしょうが、それではスタッフは成長しません。現場で施工を見る事。その事だけでも、設計図に何を書かなくてはいけないか?どうつくるか?そして、どう設計図を書けばよいのか?が見えてきます。それは僕の事務所全体のスキルの向上になるとも言えますが、僕はそんな風には実は考えていません。もちろんスムースに設計作業が進むようになるのでありがたい事といえばそうなんですが、僕はむしろスタッフが独り立ちした時のための十分なスキルを身につけておいてほしいと思うから。僕の事務所で学んだ事がスタッフなりの財産というか経験となってほしいから。そうでなくては僕の事務所で働く意味がない。
まだひとりで仕事をしていた頃、簡単な図面なんかを時々家内に描いてもらう事があった。家内は建築については全くの素人なんで、上手くというか、正確に描けないというのは当たり前なんですが、僕は「どうしてそうなるんだ(描くんだ)!ここはこう見えるじゃないか!どうしてそんな事がわからないんだ!よく想像してくれよ!」とことごとくやり直すように言った。「想像できないものは想像できないの!私、絶対にパパの部下にだけはなりたくない!」と家内は怒っていた。まあ、よく考えれば当たり前ですね、できる訳ない。冷静に考えればそんな事は当たり前です。でも、当時は忙しすぎて僕に余裕がなかったんでしょうねぇ。実際、申し訳ないと思う。
現場で経験する事がいかに大切か。それは本やインターネットで気軽に手に入れられる情報からでは決して得る事の出来ないものです。見たものを形だけマネしたってダメ。経験して自分のものにしないと。それは時に勇気と冷や汗が必要です。