当たり前の事だと思うけれど、いろいろなプロジェクトのたびにそれぞれのディテールを考える。そして一見同じような部位についてもいろいろとマイナー・チェンジを重ねたりしている。それは現場からのフィードバックであったり、新しい試みであったりというのが理由な訳だけれど、実はそういった実際の納まりといったものに限らず、”設計図”そのものもいろいろと思考錯誤しながら描いている。
基本的には施工する職人に伝わりやすい図面、詳しい図面である事を図面を描く時に一番に心がけているが、どう描いたら職人が見やすいのか(理解しやすいのか)、間違いを起こしにくいのか、無駄な情報を描いていないか、などを常に考え、図面の描き方をいつも少しずつ変えている。「次はあ~描いてやろう。」とか、「こないだの描き方はまだ改良が必要だ。」とか、「あれはあまり意味が無かったな。」とかいうように、実施設計に入る前にはいつも図面の表現方法について考える。
設計というものは、空間といった漠然としたものに、寸法という秩序を与えていく行為であり、それがプランニングと呼ばれる作業です。このプランニングという作業は非常に苦しむ作業であり、一番苦しい時期。(産みの苦しみというやつでしょうか・・・)
その苦しみを乗り越え、プランの方向性が決まれば、それに沿っていろいろな部分を詰めていく訳ですが、その時点ではプランの方向性という”基本軸”が決まっているので、検討する部分はその”基本軸”にふさわしいかどうか(コストを含め、いろいろな意味で)を配慮すればいいので、手探りの状態のプランニングの時とはその苦しみは雲泥の差と言えます。
そして設計図を描く段階(いわゆる実施設計)というのは、締め切りという苦しみはあります(苦笑)が、結構好きな作業です。コツコツと図面を仕上げていく事は楽しいと言ったら語弊があるが、集中できる作業です。
それに比べると現場はまた違った楽しさがあります。
設計が孤独なレコーディング作業だとしたら、現場はライブと言える気がします。もちろんどちらも好きです。
話が少しそれましたが、現在設計中のプロジェクトも「あ~描いてやろうかな。」なんて設計オタクのように妄想中です。
いやオタクではありません、設計が仕事の設計士ですから(笑)。